コラム

2009/05/13

しっかりとした手入れ(群馬・AN)


▼先日、桜見物に名所へ出向いた。例年と同様、休日の見物であったため、多くの人出でごった返しているのかと思いきや、ちらほらという見物人。ふと見上げてみると、花びらがほとんど散っていた。例年と同時期に来ているのに、今年に限ってはすでに遅かったようだ

▼今年の桜の見ごろは、例年になく短かったそうで、早く満開となり、早く散るといった具合。花見は青空のもと、友人らとともに酒を飲み交わす絶好の機会と位置付けている。今年に限っては、満開の桜の下で楽しむ酒席を逸し、結局常連化している居酒屋で語らいを楽しんだ

▼麻生政権が誕生し、在職期間が200日を超えた。今国会の会期末後となる6月14日には、細川元総理の263日を越える。経済不況が続く中、内需拡大としての公共事業への期待は大きく、政府も補正としては過去最大となる財政出動に踏み切る方針で、公共事業関係への投資は2・4兆円に上る

▼東日本建設業保証がまとめた平成20年度公共工事動向を見てみると、請負金額は前年度比1・8%増の6兆5288億円で、請負金額が前年度を上回るのは10年度以来となった。年度当初、道路特定財源などの影響により、請負金額は減少したものの、同社では「補正予算の影響がプラスの要因となったのでは」と見ている

▼政府による過去最大の補正に注目が集まっている。しかし、今年の桜の見ごろと同じような短い期間での投資では地域に将来はないかもしれない。年間を通じ、手入れをしっかりするからこそ、満開の桜が毎年見られるように、地域を守る建設業に対しても同様の考えが必要なのではないか。(群馬・AN)

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