コラム

2009/05/26

「あこがれ」を忘れないで(茨城・KM)


▼かつて小欄でも一部紹介したが、ランドセルの素材を製造・販売する?クラレが、この春小学校入学の子どもとその親に「将来、就きたい職業」「就かせたい職業」を調査した。あこがれの職業1位は男子が「スポーツ選手」、女子が「パン・ケーキ・お菓子屋」

▼「就きたい職業」の1位は男女ともに11年連続と、衰えない人気を示したが、「就かせたい職業(男子)」では昨年まで17年連続で1位だった「公務員」が調査開始以来初の首位陥落。子どものなりたい職業と同様に「スポーツ選手」が1位となった。同社はこの結果について「先行き不透明な時代だからこそ子どもの夢が叶うことが一番!という親心がうかがえる」としている

▼さて、このアンケートに答えた4年後の中学受験。近年は中高一貫校の人気が年々高まっている。中高一貫校は平成11年度から開始され、20年度時点での学校数は334校。今後は公立を中心に500校程度まで増える見通し。学習内容の先取りや、大学受験対策に早期に取り組めることなどが人気を高めている

▼茨城県に初めて設置された中高一貫校の県立並木中等教育学校は、初年度(20年度入学)の倍率が7・21倍。これは全国的に見ると平均的とは驚きだ。中学受験の加熱に伴い、塾などの受験対策も加熱している

▼放課後は塾で受験対策、夏は夏期講習、冬は直前対策。受験を志す小学生は、天才でない限り相当な時間を勉強に費やすことになる。勉強や目の前の「合格」に追われることで大切なものを見失ってしまわないか心配だ。小学校1年生時に抱いた「就きたい職業」への気持ちを忘れないで欲しいが。(茨城・KM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら