コラム

2009/06/10

実情に即した選択を(群馬・SS)


▼一部自治体で、現場代理人の兼務を認める動きが出てきている。ひとつの現場に現場代理人が長期間拘束されることにより、結果として受注機会が失われる。こうした現場の声に応える形で出されたひとつの結論だ。だが、解決すべき問題も多い

▼ひとつの企業にいる現場代理人の数は限られている。地方業者にとってこの問題は実に深刻に映る。ただ、認める動きが出てきていると言っても、それはほんの一部。多くの自治体は事の推移を見守り静観しているのが現状だ。複数の現場を一人の代理人に任せて、本当に質の高い施工ができるのかという声もある

▼臓器移植法の改正案が国会で話題になっている。脳死を人の死と認めるか否か。臓器提供可能年齢は何歳以上が妥当?。案は、いろいろ挙がっているが、これにより助かる命が変わってくる。先日、脳死と判定された子どもが今も成長し続けている映像をテレビで見た。一方で臓器の提供を待ち続ける子どももたくさんいる

▼少し前にバイオガソリンが導入された。サトウキビなどを原料として使用することで、大気中に排出する二酸化炭素量を増やさない点で、環境に優しいという。しかし、原料となるサトウキビが燃料生産に回され、それらを主食とする国々の食料難につながっているという指摘もある

▼これらの問題はすべて二律背反関係にある。あっちが立てば、こっちが立たず。一方が正しく、もう一方が誤りだということもないだろう。こうした選択を迫られることは、人生においても多いように思う。そのときの実情に即した選択をしたいものだ。願わくば一挙両得といきたいところだが。(群馬・SS)

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