コラム

2009/06/11

有事に対する危機管理能力(埼玉・SW)


▼大型連休中、NEO女子プロレス「パッション・レッド」興行を観戦した。建設業界と同じく停滞が続く業界だが、復興に向けて女子プロレス7団体が手を取り合い興行を開催、多くのファンを魅了した

▼ベルトを賭けたメーンの試合では、王者・高橋奈苗選手がアイスリボン所属のさくらえみ選手の挑戦を受けた。息を飲む攻防が繰り広げられワクワクしながら観ていたが、途中、さくら選手の攻撃で高橋選手がピクリとも動かなくなった。ゴングを乗せていたテーブルを担架にして、救急車が呼ばれ搬送作業が行われた。会場は騒然とし、一気に凍りついた

▼観客はしばらくの間、会場に閉じ込められることになった。その間、新王者となったさくら選手は観客と握手してまわっていた。即席の握手会が終わると、写真撮影会を始めた。その後、歌を歌い出し会場の空気を生き返らせた。もし、新王者がさくら選手でなく若手選手だったならここまでの演出はできなかっただろう

▼その一方で、ベテラン・植松寿絵選手は高橋選手の救護活動に付きっきりだったそうだ。くしくもこの約1カ月前、救護訓練が行われていたという。結果としてその成果により作業が円滑に進んだ気がする。なお、高橋選手は脳震とうだったが1カ月足らずでリングに復帰した

▼共にとっさの、見事な対応力が垣間見えた。これは他業界にも通じることだろう。マニュアルにはない非常事態が発生した際、どのような危機管理能力を示せるだろうか。例えば、締結した災害協定は本当に機能するのか。訓練により回避できることもあるはず。1度確認してみる価値がありそうだ。(埼玉・SW)

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