コラム

2009/06/12

隠れた資源大国ニッポン(茨城・KK)


▼長く日本経済の牽引車だった自動車産業。世界的不況で、各社とも販売台数を大幅に落としたが、ハイブリッド車人気で、一部に明るい兆しも。他の産業界にとっても「環境問題」とどう向き合うかが、今後のカギになるだろう

▼2007年度環境省の「環境にやさしいライフスタイル実態調査」で関心のある環境分野としては、地球温暖化が91・2%でトップ。以下オゾン層破壊63・4%、大気汚染59・1%、森林減少58・3%、海洋汚染49・8%、砂漠化48・2%…と続くが、いずれも前回調査よりポイントを上げた。地球環境全般への関心の広がりがうかがえる

▼最近よく「都市鉱山」という言葉を耳にする。天然資源に乏しいはずの我が国が、実は隠れた資源大国なのだ。日本は世界全体の鉄の消費量の7%を使用している。銅も7%、亜鉛は6%、鉛4%、銀11%、金も3%を使っている。さらに、インジウム60%、コバルト26%、モリブデン17%、タングステン11%、マンガン6%など世界有数のレアメタル(希少金属)消費国でもある

▼携帯電話やデジタルカメラなど小型電子機器には金やプラチナが使われていることはよく知られる。インジウムは液晶やプラズマディスプレイに、モリブデンはハイブリッドカーに必須。大量にそれらを使っているということは当然、相当量が国内に貯まっているということ

▼石油、天然ガス、石炭などの化石燃料資源は、枯渇不安と地球環境の両面から各国が代替エネルギー源を模索中だ。金属資源の場合、物質として消滅することはない。徹底した回収、リサイクルで世界有数の「地上資源」を守っていきたい。(茨城・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら