コラム

2009/06/19

仏の大きく深い魅力(茨城・KS)


▼歴代の戦国武将たちが戦うゲーム「戦国BASARA」や「戦国無双」シリーズが発端となって生まれた歴史好きな女性を「歴女(れきじょ)」と言う。そして仏像に惹き込まれた女性たち、いわゆる「仏女(ぶつじょ)」が増殖中であるという

▼3月31日から6月7日まで、東京国立博物館で開催された「国宝 阿修羅展」に彼女らが殺到し満員御礼だった。5月半ばにはついに入場者50万人を突破した。女性客は男性客の2倍で、20代から30代の若年層が目立つという。彼女らが仏像を愛する理由は「癒される」「パワーをもらえる」などさまざまだ

▼フリー百科事典『ウィキペディア』によると、古代ペルシャ生まれでインド育ちの「阿修羅」はもともとサンスクリット語である。「命を与える」という意味で善神だったが、のちに「a(否定の接頭語)」、「sura(天)」で「非天」と訳され、天に敵対する悪者とされてしまう何とも悲しい運命を背負った存在。3つの顔と6本の腕を持つ異様な出で立ちが印象的だ

▼また、仏像でよく耳にするのが「如来(にょらい)」と「菩薩(ぼさつ)」。如来が悟りを開いた最高位の仏で、菩薩は修行中の身で如来と人間の仲介役なのだとか。となると菩薩は如来の下位になるが、興味深いのは、菩薩は一度如来になってから人間を救うために自ら地位を落とし、人間に近づいているということ

▼実に多種多様で、仏の世界はスケールが限りなく奥が深い。若い女性らを中心に人々を惹き付けるその穏やかで広く大きな心がある。仏の世界にある大きな優しさが今こそ、日本のリーダーにも求められている。(茨城・KS)

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