コラム

2009/06/25

孔明に見る情報収集と分析(埼玉・AO)


▼諸葛亮字は孔明。弱小ながら、強大な魏と戦い続けた姿に義の趣を感じるとともに、天下三分の計や五路50万の大軍を居ながらにして防ぐなど、中国全土の情報を把握、対応するという当代一級のヒーロー。その一方で、法家的な側面も持ち、「泣いて馬謖を斬る」の故事もある

▼いわゆる三国志では、前半は青年期の曹操など英雄の活躍が中心となっている。しかし、劉備が孔明を訪ねる草廬三顧、つまり孔明の出廬からは、孔明が中心の物語となっている。その人物、才能はどのように描かれているのか

▼百万の兵をようする曹操に対し孫権と提携した赤壁の戦いでは、単身で孫権陣内にあり東風を呼び勝利を導く。軍師として、武というより智の人と見られるが、未同盟の孫権陣営に1人で飛び込む姿は、胆の据わった人物でもある。また、この時代ここまでの情報収集能力・分析力を持った人物は少ない。出廬の際に劉備に示した天下三分の計は、その最たるものだろう

▼北は曹操に対し、東は孫権に和す。荊州の地とともに、沃野千里、天賦の地と言われた益州を領し、2方面から曹操を撃つという戦略は、まさに中国全土の勢力図、人物など情報を集め適切に判断している。この時代、情報伝達は人を介してのものしかない。今とはまったく状況が違うのにも関わらずである

▼新聞、ラジオ、テレビ、インターネット、携帯電話…。様々な情報ツール、また情報が氾濫する時代だが、その情報から適切に、正確に、情報を選択し、分析してく力こそが、会社にとっても、人生にとっても重要な時代になっている。探せば、現代の孔明が埋もれているかもしれない。(埼玉・AO)

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