コラム

2009/07/06

今が将来をつくる(新潟・KY)


▼「みんなで作ろう折り紙建築」。地元の児童を対象に、立体折り紙建築の製作過程を通して、ものを造る仕事の尊さや、建設という仕事の素晴らしさを理解してもらおうという試みだ。新潟県建設業協会の女性部会がイメージアップ活動の一環として毎年開催している

▼講師を務める木原隆氏は、本屋で折り紙建築の本を手に取ったのをきっかけに興味を持ち、今では世界の名建築などを折り紙建築でつくり、その素晴らしさを伝える活動をしている。夢中になった大人の姿は、ものづくりを楽しく感じさせる

▼これから10年後、20年後に、各分野の中心を担うであろう子供たち。今後、急速な少子高齢化が予測されるなかで、減っていく若年の人材をいかに確保し、育成していくかということは、各分野で重要な課題となる。建設業界においても、人材不足への危機感は高まっている

▼大手元請企業などで構成する日建連(日本建設業団体連合会)が、4月に「建設技能者の人材確保・育成に関する提言」を発表した。1997年をピークに年々就業者数が減り、技能者の高齢化も進むなど人材不足への危機感から、提言では、優良技能者の目標年収600万円以上、重層下請けは、原則3次以内とし5年以内に2次以内とする―などの元請、下請を含めた業界全体の課題改善に向けた目標が示された。今後、各課題ごとのワーキンググループを設置し、具体的な対応の検討が始まる

▼今、建設業に従事している人が希望を持って働くことができる環境を目指すことが、将来を担う人材の確保や育成のために重要だろう。提言の実現に向けた具体策に期待したい。(新潟・KY)

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