コラム

2009/07/08

特産品を地域ブランドへ(群馬・II)


▼先日、書店で『焼きまんじゅうガイドブック』という本を見つけた。過去には、スナック菓子の味として採用されたこともあるが、群馬県全体の郷土食としての紹介ではなく、単独で紹介されるほどにメジャーな食べ物となったらしい。書店関係者に売れ行きを聞いたが、県内外を問わず売れているそうだ

▼なぜ、「焼きまんじゅう」が選ばれたのだろうか。群馬県の名物料理には、「うどん」や「おっきりこみ」「太田焼きそば」など、知名度を持っている食べ物がある。だが、焼きまんじゅうは、埼玉県や栃木県など隣県地域の住民でもあまり知られていない商品だ。だからこそ、有名にするために取り上げたのだろうか。初めてみたときは、マイナーメジャーな商品を選んだものだと感心した

▼地域の名産品は、必ず地域産業の影響を受けている。群馬県では、昔から2毛作を行っており、小麦の栽培が発達した経緯がある。そのため、小麦粉を使った名物料理が多くなっている。地域の特色という面で、焼きまんじゅうを取り上げることは、小麦料理として適しているのだろう

▼今年、各県が地域ブランドとして、実体のあるものからイメージを連想されるものまで、様々な商品を全国に対して売り出している。また、地域の特徴的な農林水産物、鉱工業品、生産技術、観光資源を地域資源として認定し、活用する制度まであるのだ

▼今後は、一過性のブランドづくりではなく、長期的スパンとして見て行かなければ、すぐに忘れられてしまうだろう。はやり廃りが早い日本で、玉石混交のブランドづくりではなく、どれだけ玉を作れるかが課題になるだろう。(群馬・II)

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