コラム

2009/07/10

日本の梅雨と地球温暖化(茨城・KK)


▼連日、じめじめとしたうっとうしい日が続いている。例年通りなら、関東甲信越地方では、あと10日ほどで明ける梅雨だが、人間にとって最も大切なもののひとつ、水の恵みをもたらしてくれる

▼日本の1年間の降水量は世界平均の2倍以上で約1700?。琵琶湖の水量の23倍と言われる。そのうち3分の1が、梅雨の時期に集中する。雪で3分の1。残り3分の1は台風、秋雨も含んで通常降る雨。現在、日本が使っているのは降水量全体の20%だから、余裕がある

▼地球温暖化で日本列島に降る雨の量が減少傾向にある。もっとも、近年、少雨だった1994年は1142?だったが、1998年は1915?で1・67倍と、年ごとにかなりバラツキがある。長期的に見ると1900年頃は1660?程度だったのが、2005年には1560?。ここ100年で6%程度減っている

▼地球温暖化がさらに進行すると日本周辺の海水温度が急上昇し、梅雨時期の雨量、台風の進路が変わるなど、日本に降る雨量が予測不能になるのではと危惧される。冬の積雪量も問題になってくる。現在、日本海側の積雪10m位ある雪深い所が、2100年には2、3mになると予測されている。積もった雪は「白いダム」と言われる。貯水効果が大きいため春先に雨が少ない東北地方などでは雪解け水が重要な水資源になっている

▼アフリカをはじめ世界各地で渇水など異常現象が起きている。ここのところ評判が芳しくないダム建設や導水事業についても、将来を見据えた議論が必要だろう。保水のための植林対策も急務だ。市民の水に対する一層の関心が求められる。(茨城・KK)

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