コラム

2009/07/17

不安材料を排除せよ(茨城・HK)


▼政府の省エネ家電購入支援策「エコポイント制度」が導入から2カ月あまり経過した。この間、液晶やプラズマなどの薄型テレビや冷蔵庫、エアコンなどの売れ行きが例年より2割以上増加、好調な売れ行きを見せている

▼これに負けじと自動車業界をにぎわす購入支援策が「エコカー減税」。ハイブリッド車など一定の燃費・排ガス基準を満たした車購入時の自動車取得税・重量税を減免する制度。さかんにPRされており、テレビをつければ、その手のCMを見ない日がない

▼これらの景気刺激策が個人消費をにぎわせているが、公共事業への投資も負けてはいない。昨年末から今年にかけて、政府は予算を補正追加。このお金を早く地元建設業者に行き渡らせようと、茨城県においては上半期の執行率を80%と高く設定。(社)茨城県建設業協会などの要望もあって、工事発注はさらに高まる様相を見せている

▼しかし、これらの景気刺激策に水を差すようなことになるのでは―と懸念される話が浮上した。政府が、平成32年をめどに設定した、温室効果ガスの中期目標だ。平成17年と比べて15%削減することを決めたわけだが、1%上積みしただけでも増える投資額が10兆円にも上るという。この判断が、エコポイントやエコカー減税による「エコ特需」の政策を無駄にしてしまわないか

▼懸念材料の存在は、公共事業においても同様だ。ずさんな設計積算や歩切りの問題などが無くならない限り、矢継ぎ早の前倒し発注も、ただただ赤字を膨らませるだけ。ようやく経済に回復の兆しが見え始めてきたと言われる昨今、ここでは水を差すようなことは絶対に避けたい。(茨城・HN)

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