コラム

2009/07/21

コラムであそぶ(長野・EM)


▼手前事で恐縮だが、小欄は弊社の誰もが出稿を許されている。必然的に固くなりがちな紙面の中、日々各様な文章で読者の目を和らげるのが狙い。社員のスキルアップを図る目的もある。月に数本出すつわものがいる一方、筆者は年に1度、祭事のようなありさまで、叱咤されることもしばしば

▼「作る=造る=創る」。何事であれ、一からつくり上げることは難しい。「作文は苦痛」という、記者としての致命傷を抱えているから、何かしら鎮痛策を考える。例えば外来語や片仮名を使わないといった制限を課す。押韻(韻を踏むこと)も良い。畳語(繰り返し言葉)を繰り返す手は使った。文中に暗号を忍ばせるのは妙案と思えたが、難しい。当文のセンテンスの文頭の文字をつなげると、あら不思議「手・作・り(利)・と・は」

▼利己を兼ねた手法ならば、(以下、空欄)

▼と、1センテンスを空け、そっくり読み手に委ねてみてはどうだろう。地上デジタルテレビ放送は、クイズやアンケートなど番組への参加が可能だという。空欄には、前後の文脈を踏まえ読者が自らの言葉を置いていく。昨今は受注するにも提案力が求められる時代。文章力向上の一助になるかも、と自身の責任放棄を擁護する言い訳まで考えた

▼はなはだ取り留めなく書いて、ようやくここまで辿り着いた。数文字ばかりの中段を見て、ふと我に返る。読者はこれをどう感じるだろう。何より、このコラムは日の目をみるのだろうか。「悪ふざけがすぎる」と小欄担当者の怒声が駆け巡る。締切間近、混乱する頭脳、思考停止。そうして、もうろうとしたままメール送信ボタンを押す。(長野・EM)

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