コラム

2009/08/07

求められる商業施設(茨城・HN)


▼「まるでリゾートにでも来たような気分だね」。妻が喜びを隠せない様子で言った。茨城県阿見町の「あみプレミアム・アウトレット」に着いたときの第一声。圏央道の阿見東インターそばにできた大型商業施設。県外ナンバーの自動車が長蛇の列だ

▼平成12年に大規模小売店舗立地法が改正されて以降、大型店は飛躍的にその立地件数を伸ばした。大手スーパーのイオンをはじめとした事業者やデベロッパーなどが全国的にその数を増やしていった

▼しかし、その動きにもやがて陰りが見え始める。中小小売店の減少や社会問題への影響を懸念した政府は、平成18年、都市計画法の改正などで大型店の出店を規制したのだ。これにより、その建設ラッシュに歯止めがかかった。景気低迷もあって、今では不採算店舗の統廃合を計画する事業者も珍しくない

▼そんな中、「あみプレミアム・アウトレット」を運営するチェルシージャパン?(東京都)発展めざましい。同社が栃木県で展開する「佐野プレミアム・アウトレット」は、高速道路沿いで県外からの集客に成功している。周辺では他の商業施設や住宅の張り付きも順調。同じような立地条件である「あみプレミアム・アウトレット」も、今後が期待されるところだ

▼しかし不安要素が無いわけではない。それは道路網と交通誘導の整備。アウトレットからの帰り、一般道を利用したが、渋滞や、道に迷うことがたびたび。どんなに集客が見込める商業施設でも、流れを停滞させてしまっては元も子もない。とは言え、新しいまちづくりはまだ始まったばかり。今後の動向を楽しみに見守りたい。(茨城・HN)

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