コラム

2009/08/12

地元を支える者の底力(群馬・AN)


▼「建設業がどうなろうと自分には関係ない」と語気を強める1人の友人。その友人は、年末に引き起こされる交通渋滞が非常に腹立たしいようで「余った税金を無理矢理投入している。適正な使いかたをしてほしい」と話し、今月30日に行われる衆議院選挙が楽しみとも

▼不況の影響からか、本県では花火大会の中止を余儀なくされる自治体が相次いでいる。今年は伊勢崎花火大会をはじめ、太田花火大会などの中止が決定した。各自治体とも財政状況が厳しく、花火大会の予算確保が困難とのことだが、黒いキャンパスに色とりどりの花火が散る光景は、誰もが目を奪われる

▼夜空へ1万5000発もの花火が打ち上げられる高崎まつり大花火大会でも、多くの協賛企業の撤退があったそうだが、幸いにも新規の協賛企業が撤退企業の穴を埋める形となり、今年も無事開催が決定した。毎年、地元放送局で放映され、伝統と格式ある前橋花火大会についても同様、8月8日に1万3000発もの大輪を咲かせた

▼先述した友人も毎年、花火を見に行くようで、先日行われた酒宴の際には「今年はどこへ行こうか」と話していた。その一方、相次ぐ花火大会の中止も話題に上り「無駄な投資はやめて、花火大会の続行を」と繰り返し求めていた

▼花火の協賛企業の中には、多数の建設業者が名を連ね、昔から地元を支えながら協賛を続けてきた。「建設業がどうなろうと自分には関係ない」と話していた友人。経済の悪化が建設不況を招き、その不況が自分の身近なものにまで影響を及ぼしているとは知る由もない。地域を支える者の底力とはこんなものだと言いたい。(群馬・AN)

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