コラム

2009/09/25

八ッ場ダム住民感情と国益(茨城・HN)


▼先週発足した民主党政権がマニフェスト(政権公約)でうたっている八ッ場ダムの建設中止問題。この問題で?本当に建設を中止して良いのか?といった動きがメディアに取り上げられ始めてきた

▼TVのニュースで、さまざまな業種で働く人に民主党政権への期待をインタビューする番組を見た。八ツ場ダムで働く男性がこう答えていた。「ここまで完成したダム。ここで中止したら、これまでの犠牲、反対から建設を了承した住民、立ち退いた住民らの気持ちはどうなってしまうのか。なら最初から中止すればよかったんだ」

▼9月11日には、関係都県の建設推進派議員でつくる「八ッ場ダム推進1都5県議員連盟」が、ダム建設の要望書を提出することが報じられた。また14日には、地元住民らで構成する「八ッ場ダム推進吾妻住民協議会」も同じ主旨の要請書を郵送。群馬県の大沢正明知事も同日の会見で「何が何でも推進していく」との姿勢。ダムの建設を求める声が、徐々に大きくなりつつある

▼民主党は、マニュフェストで一度決めたことを曲げること、先延ばしすることは、民意の信頼を失いかねない―と公言している。選挙で圧勝した背景もあろうが、本当に国民のためを考えるのならば、是々非々、柔軟な対応も必要ではないだろうか

▼その際、重要なのは各方面にきちんと説明するということだ。衆院選の前段階で、民主党は八ツ場ダムについて地元住民に説明することなく公約に載せており、中止の際も同様の措置だったという。中止と継続、どちらに国益があるのか―。鳩山政権の舵取りに注目したい。もっか、続行の声も大きいが。(茨城・HN)

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