コラム

2009/10/15

新しい世界は苦難の連続(東京・JI)


▼新車を買った。最近流行のミニバンである。これまでの軽自動車と比べ、車体が倍に膨れ上がったかのようだ。排気量は3倍に相当するだけにパワーは十分。そのため運転する際に余裕が生まれ、リラックスして安全運転ができる。ただし、車を変えたことで大きな問題も発生した

▼新たな問題は駐車である。軽自動車は取り扱いが何かと容易だった。ハンドル操作をミスしても楽に駐車することができたのである。だが大柄な車体の場合は違う。車の進入角度やハンドルを切るタイミングを厳密に計算して行動に移さなければならない。さらに購入車はフロント先端の位置が運転席から見えず、前方に居並ぶ車列に接触する不安もある。誤操作は命取りだ。当分、駐車場内で額に汗しつつの格闘は続きそうだ

▼新政権もまた、マニフェストに書かれた内容を実現していく過程では戦いの連続となるに違いない。ダム整備中止や高速道路無料化などを進めるためには厳しい批判にさらされることも多いだろう。一方で中小建設業に対しては、新分野進出などの支援を行うことも検討しているようだ

▼新分野進出は、これまでも多くの建設業者が取り組んできた。失敗した例もあれば、苦しいながらも継続しているところもある。未知の世界に足を踏み入れれば、それだけ苦難も多いだろう

▼新しいモノは、その形状がわかりにくい。車体感覚を把握できない車は、いずれはぶつけてしまうかもしれない。新政権も、やがては大きな壁にぶち当たるだろう。しかし、予想される多くの苦難や未知の世界に足を踏み出した新たな与党の行く末を、しばらくは見届けたい。(東京・JI)

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