コラム

2009/10/16

「油断しない」ことが第一(茨城・MK)


▼「日本で1年間に盗まれる自動車は何台だと思いますか」。ある建設会社の安全大会でのこと。講師の県警の担当者が参加者に問いかけた。答えは3万1790件。この数は、タイヤなど一部が盗まれた件数ではない。?車ごと?の数である。警視庁が2007年のデータとしてまとめたものだ

▼なぜ車が盗まれるのか。関係者による「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」では、理由として?規制緩和で簡素化された中古車輸出手続きを悪用し、大掛かりな窃盗団が盗難車を不正輸出している?日本人の国民性として危機意識が低いため、悪質な窃盗団に付け入るスキを与えている―などを挙げる。冒頭の講師とは別の県警講師は、車窃盗で捕まえた外国人が、いかに素早く車のドアをこじ開けるかを得意げに説明したことを呆れながら紹介していた

▼では、「盗まれる場所」が多いのはどこか。圧倒的に多いのが駐車場。3万1790件のうち約2万件を占める。そのほか、住宅3360件、道路上2857件など

▼車を盗難から守るには何が大切か。プロジェクトチームでは「車を降りたらドアロックをする」「盗難防止機具を普段から活用する」「照明や防犯設備のある駐車場を利用する」ことなどを指摘する。車上狙い対策では「降りるときは荷物やカギは必ず持って出る」、最近増えている「カーナビ盗難」対策では、カーナビを持ち帰る、カバーを掛ける、を挙げている

▼これらの対策に共通しているのは「油断しない」ことである。いろいろな対策が考えられるが、基本的で抜本的なのは「油断」が第一であろうか。(茨城・MK)

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