コラム

2009/10/22

観光地としての平泉(埼玉・HS)


▼先月、東北の平泉を旅行した。埼玉県大宮駅から420km、約2時間の行程。それまで、車を使っての旅行が多かったので「あっと言う間に着いた」感じだ。平泉駅に降りて、駅前広場と周辺の歩・車道が新しいのに驚いた。また、駅周辺の銀行、商店、企業などの店舗が三角屋根に白壁の「土蔵造り」に統一されているのだ。しかし、平泉のイメージと新しい道路には、妙な違和感を覚えた

▼平泉の中尊寺は、西暦850年に天台宗の慈覚大師が開山。その後、1100年頃に奥州藤原氏の初代清衡が、前九年・後三年の戦乱で亡くなった人の霊をなぐさめ、仏国土を建設するため多くの堂塔を造営した。なかでも、国宝の金色堂は1124年の建立で、その名の通り金色に輝く阿弥陀如来、須弥壇(仏壇)などには圧倒された

▼平泉は2005年に放送されたNHK大河ドラマの「義経」や江戸時代の俳人「松尾芭蕉」とも関係が深い土地で、日本国内でも有数の観光地。世界文化遺産への登録も目指しており、先日、文化庁などで構成される、世界遺産条約関係省庁連絡会議において「平泉の文化遺産」の世界遺産登録暫定版推薦書の提出が承認された

▼確かに、中尊寺の境内などは人で溢れていたが、観光地としては寂しく感じた。よく見渡せば、駅から中尊寺までの間にみやげ物店などの商店街が見当たらないのだ。いわゆる「門前町」が無いのだ

▼道路などのインフラ整備は大事だが、観光地として欠かせない条件の一つに「街のにぎわい」があるはず。世界文化遺産への登録と同時に、観光地として足りない部分の手当てを急いで欲しいと感じた。(埼玉・HS)

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