コラム

2009/10/23

読書にも復習が必要(茨城・KK)


▼灯火親しむの候、読書の秋である。今年も例年通り、文化の日を中心とした2週間、10月27日から11月9日までの『読書週間』に、全国各自治体や公立図書館などで、図書文化の普及、良書の推薦を主目的にさまざまな行事が催される

▼『あらすじで読む○○』といった本が売れている。夏休みの読書感想文などのために買い求める生徒、学生も少なくないだろうが、大人が読んでも有用かもしれない。年齢を経るごとに、昔読んだ本の内容がなかなか思い出せなくなる。そんな時、文学事典、あらすじ本の類をひもとくことになる

▼あらすじは思い出せても、作品の肌合い、風合いといったものは再現しにくいものだ。そこで仕方なく、もう一度読むことになる。はっきり作品の内容を記憶しておくためには、何度も繰り返して読む必要がある。読書とは復習そのものかもしれない

▼作品の舞台を地図を使って確認する。時代背景は日本史や世界史年表を参照するなどして、関連づければ忘れにくいーと某評論家氏。また、付箋を貼ったり、ノートを取ったりしながら読む。そして時折、過去に読んだ本を読み直すことを提唱する

▼『月長石』(ウィルキー・コリンズ著・中村能三訳・創元推理文庫)というミステリーに登場する老執事ガブリエル・ベタレッジ。愛読書『ロビンソン・クルーソー』をボロボロになるまで読み返し、現在持っているのがなんと6冊目!彼はその本を開くたびになんらかの教訓を見いだす。読みっ放しにすることなく、内容を要約したり、記録に残したりする。読書は楽しみではあるが、復習することによって大きな効果が得られる。 (茨城・KK)

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