コラム

2009/10/28

遅すぎることはない(群馬・SS)


▼近年、有名俳優や著名人といった確固たる社会的地位を築き上げてきた人達による薬物事件が相次いでいる。薬物を常習した影響なのか、その人物の築いてきたイメージとは程遠い、不自然に気分が高揚したようすがテレビのワイドショーで繰り返し伝えられた。その人物に好感を抱いていたこともあり、ショックを受けると同時に薬物の恐ろしさがひしひしと伝わってきた

▼「○○依存症」という言葉を中学時分に習った。前に付く言葉はさまざまだが、その時に教師が最初に挙げたのは、やはり薬物だった。一度薬物に手を出してしまうと、そこから抜け出すのは容易ではない。再犯率は50%を超えるとされていることから、その深刻さを疑う余地はない

▼筆者は「タバコ依存症」だった。成人してからずっと、1日平均で40本吸った。身体的によくないことは自覚していた。「やめよう」と何度も決意したが、とにかく手の届く範囲にタバコがないと落ち着かない。それが、やがてイライラに変わり、それが原因で焦燥感に駆られる日々を過ごしていた

▼タバコと決別できたのは、自身の弱さに打ち克ったからだが、これも周囲のサポートがあってこそだったと実感している。禁煙体験談を語ってくれたり、叱咤激励を受けられたから依存症から抜け出せたと思っている

▼先の話題の有名人はこれから公判を受ける身に堕ちてしまった。だが、元々はスターの座に登りつめた実力者。依存症から抜け出すのは大変だが、周囲のサポートを受けて依存症から脱却し、再び脚光を浴びるまでに戻ってきてほしいと願っている。何をするにも遅すぎることはない。(群馬・SS)

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