コラム

2009/11/05

イメージを創る行為(東京・YO)


▼「なぜ…、こんな所で」。過日、帰宅時、電車を降りると、どこからか煙草の匂いが漂ってきた。現在、首都圏の駅は全面禁煙、しかもここは地下鉄の駅のはず。気のせいかなとも思ったが、人の波に紛れ、白い塊が流れていく

▼周囲を見渡すと、くわえ煙草で闊歩する男性を発見。個人的な趣味のファッションかもしれないが、現場でおなじみの作業服を着ている。すれ違う人々は皆冷ややかな視線を投げかけ、呆れ顔でなにやらヒソヒソと話す連れ同士も。会話の中身までは聞き取れないが、決して好意的なものではないだろう

▼「もうダメだー」。何事かと思わず見ていると、一人の若者がいきなり放尿し始めたのだ。場所は、駅の改札を出て10mくらいの距離だろうか。彼は、男女10人くらいのグループのひとり。連れの女性は「みんな見えているよ、アハハハ」などと頓着などかけらも無く笑っている

▼彼の立場からすると、よほど我慢ができなかったのだろう―との解釈もあるが、実は犯罪だ。しかし、女性の言葉に対してその彼は「見て〜、見て〜」と軽口を叩いてる。なぜ、改札を出る前に、駅のトイレを利用しなかったのだろうか。全く常識を逸脱した行為で、許せない行為だ

▼一般的に現場で使われているような作業服はイコール建設関係者と思われがち。2007年の全世界の人口は66億7000万人。日本だけでも1億3000万人もの人々が暮らす。一人の軽はずみな行いが、企業や団体、そして業界など全体のイメージとして捉えられてしまう。極論すれば、たった一人の軽率な行動がすべてを壊す。見られているのは自分一人だけではない。(東京・YO)

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