コラム

2009/11/06

面倒くさいのが実は楽しい(茨城・KS)


▼「メンドクサイことが楽しいことで、生きていくということなんだ」。ここ数年の「理想の父親ランキング」や「理想の上司ランキング」でトップに輝き、魅力に溢れ、多趣味で楽天的なマルチタレント・所ジョージさんの言葉だ

▼近頃は情報化が急速に進み、インターネット中心の社会になって久しい。何事も手間をかけることなく、足を運ばずに済んでしまう。例えばビデオ・DVDレンタル業界では、ネットで注文して、自宅に届き、ポストに投函して返却完了というサービスが登場している

▼そのほか「電子書籍」や「ケータイ小説」も誕生し、これまで書物とは無縁であった若年の読者が増えた。しかし、無機質な画面でボタンを押して機械的に読むのではなく、文字が印刷された紙を自分の指でめくり、読み進めていくことに筆者は趣きを感じる。また、書店でたくさん並ぶ本の中から、探し、選ぶという楽しみもある

▼テレビ番組で所さんは、携帯電話の普及により誰かと待ち合わせするとき、「待つ」という行為がなくなっていることについて言及していた。時間をかけ、やっとの思いで会う約束をし、いざ待ち合わせ場所へ。ところが30分、1時間待てども相手は来ない。しかし連絡は取れない。何かあったのではと心配する。そのように相手を「想う」ことがなくなりつまらないと

▼悩み、ひと手間、ふた手間かけていくこと、それが面白いことであり生きる意味であると思うが。トライアル・アンド・エラーを繰り返し、少しずつ改善していくことが人生ではなかろうか。自由自在な昨今だからこそ、アナログの魅力を見直したいものだ。(茨城・KS)

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