コラム

2009/11/10

今夜は熱燗で一杯(群馬・HM)


▼小欄(日々の栞)にも当然、約束事はある。文字数は11文字×60行の660字と決まっている。この中で、自分の感じたこと、伝えたいことをまとめていかなければならない。テーマ等も含め制限があるから工夫も生まれる訳だが、苦戦しているときは頭が痛い

▼書き始める前、文章のイメージをある程度固め、いざ書きだしてみる。しかしイメージが正確に言葉になり、終わってみれば文字数もピッタリ―なんていうことは滅多にない。書いてみれば字数は多く、それをなんとか工夫して規定数の中で収まればいい方。どうにもまとまらずに何度も推敲を重ねるようなことは当たり前

▼筆者の場合、特に苦労するのが書き出し。書き出しがスッと決まると、割りとすんなり進んでいくが、ここでつまずくと困ってしまう。だらだらと長かったり、話が交錯したりしてしまう。実は、今回のコラムは、お酒の蘊蓄(うんちく)を書こうと思っていた。日本酒と交通網整備を絡めたコラムの構想だったが、書き出しが決まらない

▼「天高く馬肥ゆる秋」というが、この時期は食事がおいしく、油断すると体重に比例してくる。「鍋がおいしい季節になった。食事のお供も自然にビールから日本酒に変わってきた」などなど。しかし、どうもこれらがしっくりこないのだ

▼こういう時は文章の難しさを痛感する。書きたいことは決まっているのに、入り口が分からない。自分の未熟を突きつけられたような感じだ。「車から見える家の明かりに温かさを感じる季節になった。助手席で揺れる日本酒を今夜は燗にしてみようかと思った」。こんな書き出しはどうだろうか。(群馬・HM)

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