コラム

2009/11/12

兼続に見る日本人の美徳(茨城・KK)


▼今年のNHK大河ドラマ『天地人』も残りわずかとなった。11月1日放送分終了時点での年間

平均視聴率は21・12%。ここ7年間で、最高の視聴率を記録し大ヒットした昨年の『篤姫』の2

4・44%にどこまで迫れるか見ものである

 

▼歴史人気が高まる中、『歴女』と呼ばれる歴史好きな女性たちの存在が注目されている。歴女は

特に戦国時代に詳しく、自分のお気に入りの武将がいるのだそうだ。ゆかりの地をめぐったり、グッ

ズを収集したり、経済効果もなかなからしい。信長や秀吉、家康など天下取りの大将ももちろんだが

、正義感の強い名将の人気が高い

 

▼大河ドラマの影響もあり、直江兼続、石田三成などの人気がブレーク中だ。頼れるリーダー不足

という現代社会に〝義〟を重んじ、貫き通した彼らの生きざまは、とりわけ新鮮に映るのだろう。兼

続の主君に対する忠誠心には驚くばかりだ

 

▼関ヶ原での西軍の敗戦によって、改易の危機にひんした主家・上杉家を救うために家老・直江兼

続は起死回生の秘策に出た。徳川に恭順の意を表すため、嫡子がいるにもかかわらず、家康の重臣・

本多正信の次男・政重を養子に迎え家督を継がせた

 

▼昨年の大河ドラマ『篤姫』の成功は最後まで婚家・徳川と命運をともにしようとした、女として

理想の生き方が共感を呼んだからだろう。兼続の死後、直江家は断絶した。実子の早世と本多政重と

の養子縁組解消が原因とされるが、「高禄の知行を返上して、主家の財政を助けるため」兼続が意図

的に断絶させたとする説がある。そこまではともかく、歴史には、現代人が忘れかけた日本人の美点

が数多く残されている。(茨城・KK)

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