コラム

2009/11/25

映画づくりで地域活性化(茨城・MK)


▼時は幕末の安政7年(1860年)3月3日。江戸は大雪だった。水戸藩浪士が大老井伊直弼を江戸城桜田門外で襲撃した「桜田門外ノ変」。水戸藩開藩四百年記念事業の一環としてこの事件が映画化される

▼出演者も決まり、実写を行うオープンセットも水戸市の千波湖畔に建設される。セットは高さ約9m、延長100m以上。大名屋敷や江戸城桜田門、お濠などを再現する。この時代劇、通常の映画とは、いささか異なる。時代劇は京都などの特撮スタジオで撮られる場合が多いが、「桜田門外ノ変」は、オープンセットを中心に、すべてのシーンが茨城県内で撮影される

▼撮影に限らず、地域から出資者や協賛金を募り、応援団も結成。ロケでは、エキストラだけでなく、出演者などへの「炊き出し隊」、「ちょい役」への参加者も募るという。映画化に向けては地元の有志が「支援の会」を結成し、活動を続けてきた。支援の会では「時代劇を撮るだけなら京都などのスタジオでできます

▼しかし、「この映画は、地域が発案し、働きかけて実現させ、実際の撮影も地域で行うところがポイントです」。地域の多くの人が様々な形で映画づくりに参加することで、映画の成功だけではなく、地域の元気づくりも進めていこうという意図だ

▼オープンセットは年明けにも完成予定で、引き続いて撮影が開始される。3月末ごろ撮影を終了させ、今秋にも全国公開の予定である。幕末の「桜田門外ノ変」は、当時の人々に大きな衝撃、影響を与えた。現代に映画化される「桜田門外ノ変」も、地域の活性化に大きく影響することを期待したい。(茨城・MK)

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