コラム

2009/12/04

道は自転車にも必要(茨城・KM)


▼最近、健康やエコ、コストなどのメリットを理由に自転車がブームだ。と同時に自転車の事故も増えている。警視庁の発表によると、平成20年に自転車が当事者となった交通事故は16万2525件。交通事故全体の21・2%を占めており、10年前(平成10年)と比較すると1万9508件も増加している

▼道路交通法上、自転車は「車両」の一種として、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則。違反した場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられる。分かっているが歩道に逃げてしまうことは少なからずある

▼自転車で車道を走ったことがある人は、あの風を一度は受けているはずだ。追い抜いていく車が「邪魔だ!」と怒りを込めて発する風を。車がギリギリを通る恐怖を感じるとともに、風に込められたメッセージを受け取れば、歩道に逃げてしまうのは仕方ない気がする。だが自転車が歩道を走ると、今度は歩道で自転車と歩行者の接触事故が起きる

▼国土交通省は、自転車と歩行者の接触事故が最近10年間で約4・8倍に増加していることを受け、自転車走行区間の設置を計画。平成20年に全国98カ所をモデル地区に指定し、今年度末をめどに整備を進めている

▼先日、茨城県のモデル地区を自転車で走ってみたが実に快適だった。車、歩行者、いずれにもストレスを感じない。政権交代に伴い「公共事業=無駄」と言われるが、すべてが無駄などあり得ない。国土交通省はモデル地区指定時、欧米並みの自転車道ネットワーク構築を目標に掲げた。この事業がモデル地区だけで終わらないことを切に望む。(茨城・KM)

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