コラム

2009/12/10

進化に大切な基礎(埼玉・TN)


▼「凡人が一流になるルール」(齋藤孝著、PHP新書)を読んだ。別に一流を目指したいわけではなく、正直な話、この小覧を書く目的で購入した。同書で扱われている人物は、歴史や伝記でお馴染みのエジソンやカーネギーを含む6人。彼らの仕事の習慣を「ルール」と名付け、著者の齋藤氏自身が凡人として自覚し学ぼうとする内容

▼同著では、エジソンの「常識を打ち破る発想のためには、まず常識を知ること」のほか、カーネギーの「ありふれた経験の本質をつかむ」、小林一三「人に負けない得意分野をもつ」など、様々な言葉が並ぶ

▼運動は健康に良い。それは周知の事実だが、病気や極端に体力が落ちている状態では逆効果。下手をすると体を壊しかねない。このことは、仕事を進めるうえでも当てはまるであろう

▼少し前まで放映されていたイチローが登場するNTT東日本のCMで、「確かな一歩の積み重ねでしか遠くへは行けない」とするコピーが使われていた。一見、進化の象徴とされるイチローだが、意外にも、同じ毎日を繰り返し送っていることを伝えている。どんなに歴史で有名な人間やイチローも、スピードの差はあるものの、地に足をつけ着実に歩んできた。この積み重ねが大きな進化を生む

▼進化や改革が駄目と言いたいわけではない。冒頭で紹介した書籍に載っているが、形骸化した意味のない習慣は変えるべきとする「変化自体を習慣化する」という言葉もある。しかし改革や変化イコール進化ではないということ。安易な変革も意味をなさない。進化の裏には、確実は方向性を持ち、それを支える基盤となるものが必要だ。(埼玉・TN)

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