コラム

2009/12/15

揺るがないチームの勝利(茨城・MK)


▼プロサッカーリーグ「J1」を制したのは、ことしも鹿島アントラーズだった。優勝争いは最終戦までもつれたが、鹿島が勝利し、リーグ史上初の3連覇を果たした

▼勝因はいろいろ語られている。昨年そして一昨年から主力選手は変わらず、オリベイラ監督も続投。チームの熟成度は高い。マスコミをにぎわすような大型補強はさほどせず、高卒ルーキー選手も試しながら安定した戦いで制した印象だ。派手なスコアで大勝したりはしないが、大負けもしない

▼常勝軍団ともいわれるが、不思議な面もある。その国の代表選手は、その国のリーグで上位を占めるチームから多く選ばれることが他国の例だが、リーグ戦を3連覇したチームでありながら、日本代表に選出されるのは1人か2人。下位チームから多く選ばれる場合もある。加えて、本拠地の鹿嶋市は茨城県の地方都市。Jリーグの他の有名チームに比べて観客動員などでも苦労があるのではと想像する。そういった中でも安定した成績を残している

▼優勝が決まった翌日に「黄金時代」との見出しを掲げた新聞もあったが、今後はどうだろう。主力選手の多くは30歳前後である。「常勝」のためには主力を脅かす若手の成長が欠かせない。戦い方などは他のチームに十分に研究されるだろう

▼チームが安定した成績を残すには理由があるはずだ。鹿島の場合は、選手、監督、スタッフ、フロント、サポーターの一体感がよくいわれる。今シーズンも5連敗など不調な時期もあったが、チームは揺るがなかった。安定したチームの戦いぶりは、企業の経営にも考えさせられることが多いのでは。(茨城・MK)

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