コラム

2009/12/17

「ゆるキャラ」で考える(埼玉・SW)


▼ゆるいマスコットキャラクター、通称「ゆるキャラ」が脚光を浴びている。滋賀県彦根市の「ひこにゃん」や平城遷都1300年祭の「せんとくん」が有名だが、埼玉県には自治体マスコット史上、初めて宇宙に飛んだ「コバトン」がいる。コバトンは県の知名度・イメージアップに貢献している

▼これほどまでにマスコットが活躍するのは、タレントなどと違い不祥事を起こす可能性がなく、高額なギャランティーも発生しないからだろう。それに、多忙でも文句の一つも言わず、思いのままに動いてくれる。言わば「便利屋」かもしれない

▼青森県弘前市の名所・弘前城が平成23年に築城400年を迎える。そこで、マスコットキャラクターを募集、全国各地から676点の応募があった。最優秀賞には大阪府の男性の作品を選出。また、ネーミングは5人の応募があった「たか丸くん」に決定。最優秀賞は市内の小学生が受賞。こちらも全国から1263点が集まった

▼マスコット誕生には初期投資(賞品)こそ必要だが、著作権を確保すれば維持費はかからないし、募集をかけることで名前が知れ渡ったことを考えれば安い宣伝料とも言えよう。同市にはいい温泉があると聞くし、雪化粧を施された弘前城は美しいそうだ。築城400年は2年後だが、ひと足先に足を運んでみたくなった

▼建設業界は自らの宣伝がうまくないと指摘されている。「必要なものは必要」のアピールを積極的に行わなければ、さらなる公共投資削減は止まらないだろうし、突如として業界を守る救世主が出現することもない。建設業にこそ「ゆるキャラ」が必要なのかもしれない。(埼玉・SW)

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