コラム

2009/12/25

印刷技術の進歩と年賀状(茨城・KK)


▼今年も残り1週間となった。年内の仕事の総仕上げ、片付けや大掃除、新年の準備などあわただしい日々が続いている。年賀状も、そろそろ投函しないと、元旦の配達に間に合わなくなる

▼ルネサンスの三大発明といえば「火薬」、「羅針盤」そして「活版印刷」。なかでも活版印刷は書物を大量複製できるようにしたところに意義があった。ドイツのヨハネス・グーテンベルクが発明した新技術は爆発的に受け入れられ、後の宗教改革やヨーロッパ社会の近代化に大きな役割を果たした

▼グーテンベルクの活版印刷術発明から550年、今やDTP(デスク・トップ・パブリッシング)という電子編集システムが主流となり、活字を使わない印刷、出版があたりまえの時代に。しかし、一部に活版を見直す動きも。印刷は英語で?press ?という。いわば『圧力の美』というか、紙に圧力がかかるところに美しさがあるというのだ

▼人間社会には古代から年賀の習慣があったといわれる。前年の収穫を神に感謝し、新年の豊穣を祈ることは自然なことだったろう。年賀の書状が成り立つには暦と紙、そして文字の普及が不可欠だ。それらから推察すると、貴族階級では7世紀後半以降、年賀状が一般庶民に広がるのは、街道の整備と飛脚制度が充実した江戸時代からと考えられている

▼ここ何年か、受け取る年賀状はパソコンで作ったものが大半になった。「もらってうれしい年賀状は」―手づくりのもの、近況などメッセージ付きのものが上位を占める。久しく会わない人もいる。忙しい年の瀬ではあるが、新しい年の飛躍を期し、心を込めた1枚を送りたい。  (茨城・KK) 

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