コラム

2010/01/14

新政権と「おけさ柿」(新潟・KK)


▼佐渡島に住む祖母から毎年秋になると柿が送られてくる。いわゆる「おけさ柿」で、学名は「平核無柿(ひらたねなしかき)」。種がないのが特徴であるため、小さい頃は、お菓子の「柿の種」を食べながら、「柿にこんな種なんてあったのか?」と不思議に思っていた

▼柿は栄養価が高く、特にビタミンCが豊富。「柿が赤くなると、医者が青くなる」との言葉もあり、生活習慣病の予防等に効果があるという。また二日酔いにも効くと聞き、これまで、痛飲した翌朝には何度柿のお世話になったか分からない。調べて見ると、ビタミンCとタンニンが血液中のアルコール分を外へ排出するからだという

▼「おけさ柿」は毎年10月後半頃には届くが、届いて即、食べるという訳にはいかない。そのままでは渋くて食べれないので、焼酎等をふって「渋抜き」をする期間が必要となる。そのため箱には「開箱日」が記されている。もっとも「開箱日」を守らず、もう大丈夫だろうと思って食べたら、あまりの渋さに後悔したことは、一度や二度ではないが

▼柿の渋を抜く作業期間は1週間程度。渋抜きをしなければ渋くて食べれない「おけさ柿」だが、程よく熟した最高の状態のものは甘く、まさに美味。渋い柿を甘くする術を考えた先人の知恵には頭が下がる

▼鳩山新政権が発足して数ヵ月が過ぎた。建設業界にとって、新政権から送られた方針(柿)は厳しく(渋く)、およそ簡単には受け入れられる(食べられる)ものではない。大手の海外進出、林業や農業への転業等は、具体的な支援策が見えない現状においては、ただの「渋柿」でしかない。(新潟・KK)

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