コラム

2010/01/15

幸福を指標化する(茨城・KK)


▼国の経済水準を計る経済指標として、国内総生産(GDP)の代わりに「幸福指数」を活用しよう―昨年9月、サルコジ仏大統領はパリのソルボンヌ大学で講演。「現在のGDPは実際の経済発展のレベルを示していない。新たな指標が必要だ」と主張した

▼仏経済誌のレゼコーは「この25年で世界のGDPは2倍に増えたが、環境水準は60%も後退した」と大統領の自論を評価。欧州連合(EU)執行委員会も「2010年中には新たな経済発展度測定指数を提唱したい」などと議論が進展している

▼日本でも同じように1990年代に当時の経済企画庁が発表した新国民生活指標(通称・豊かさ指標)があった。「住む(住環境)」「費やす(収入と消費生活)」「働く(賃金や労働環境)」「育てる(児童の教育など)」「癒す(医療と保険)」「遊ぶ(休暇と余暇)」「学ぶ(大学や文化施設)」「交わる(地域活動)」の8分野を指数化して都道府県の順位をランキング

▼英シンクタンクのニュー・エコノミックス・ファンデーション発表の「地球幸福度指数」によると、コスタリカがトップとなった。指数の基準は「平均寿命」「生活の満足度」「地球環境との共存」の3要素。2位ドミニカ共和国、以下ジャマイカ、グアテマラ…。先進国はアメリカ114位、イギリス74位、フランス71位と軒並み下位。ちなみに日本は75位

▼「幸福とはなにか」人それぞれの考え方、生き方があるだろう。幸福論を語ることは容易だが、幸福は論理ではない。指数化、指標化は難しいが、さまざまな角度からの検証は時代の要求なのだろうか。(茨城・KK)

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