コラム

2010/01/27

福は内、鬼は誰?(群馬・AN)


▼新年度から創設される(仮称)社会資本整備総合交付金。従来の補助金とは一線を画すもので、民主党がマニフェストで掲げた『一括交付金』化の流れを汲でいる

▼一括交付金化は、地方に裁量を持たせるもの。国が地方に使い道を指定する、いわゆる従来の『ひもつき』の廃止にあたる。民主党が目指す地域主権の第一歩だ。その予算額は2兆2000億円に及ぶが、県のある幹部は「使い道が地方の裁量で決められるのはありがたいが、それ以外の情報がまったくない」と困惑する

▼もうすぐ2月3日の節分を迎える。節分での鬼払いは、悪鬼・疫癘(えきれい)を追い払う追儺(ついな)から生まれ、近代以降に庶民へと伝わったとされている。各家庭ではスーパーマーケットで売られている福豆を使用することが多いが、筆者の実家では落花生をまく。深い理由はなく、単に母親がまいたあとでも好物の落花生が食べられるからだ

▼同じ節分でも近年は、恵方巻が多くコンビニの棚を占める。恵方と呼ばれるその年に縁起の良い方角を向き、巻き寿司を無言で丸かぶりすると、恵方の方角にいる福の神が願いをかなえてくれるという。因みに今年は西南西。恵方巻の起源は諸説あるが、ここ最近の熱狂は、大阪道頓堀で行われた販売促進イベントがきっかけで広まったらしい

▼『福は内、鬼は外』と子どもに豆を投げられながら、鬼のお面を付けた父親が逃げ回るシーンはどの家庭も同じだろうが、建設業界に対しては『削減!削減!』と叫ぶ鬼が家を荒らす。『福は内、鬼は外』と子どもに豆を投げられる鬼がいる家庭は、幸せなのかもしれない。(群馬・AN)

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