コラム

2010/02/26

待った、耐えた、勝った!(茨城・KK)


▼連日熱戦が続くバンクーバー冬季五輪。前評判どおりのパフォーマンスでメダルを手にする外国人選手のポテンシャルの高さに舌を巻きながらも、お目当ての日本選手に懸命に声援を送る

▼第7日・18日、男子フィギュアスケートで高橋大輔選手が見事銅メダルを獲得した。右ひざのじん帯断裂という大けがから、手術、リハビリを乗り越えての表彰台。メダルの色は銅だが、母・清登さんの言葉を待つまでもなく、本人にとっても「金以上の価値」があったことだろうと、思わず胸を熱くした

▼私事だが、正月休みに足首を痛めた。「きっちり直さないと癖になる(マッサージ師)」。今もリハビリを続けている。日常生活や仕事に支障はないが、走ったりできるまでには3カ月はかかるという。中年にしてこれだから、世界のトップアスリートの高橋選手にとって、想像を絶する苦難の日々だったろう

▼「スポーツ選手は直りきらないうちに試合に出るから持病になるんだ」と先のマッサージ師。お相撲さんは番付が落ちるし、野球選手ならポジションを奪われかねない。2008年10月に負傷した高橋選手にとっては、五輪本番までの限られた期間で回復、復帰、代表獲得まで、いくつもの山を越えなければならない

▼失敗こそしたが、4回転ジャンプへの挑戦が、メダルにつながったのでは。ミスを恐れて手堅くまとめる選手の多いなか、高橋選手が出場選手中最高のプログラム構成点を出せたのも、攻めの姿勢があったればこそ。復活の日を待ちわび、つらいリハビリに耐え、そして栄光をつかんだ高橋大輔選手に心からの拍手を送りたい。(茨城・KK)

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