コラム

2010/02/02

コンクリートから大自然へ(茨城・KS)


▼ジェームズ・キャメロン監督のSF映画『アバター』が好評だ。年始の配給会社の発表では、日本で2週連続1位を獲得し、35億円もの興行収入を記録。全世界でもわずか17日間で約950億円を突破した。これは歴代累計収入ベスト4の偉業。トップである自身の『タイタニック』を抜くのも時間の問題だろう

▼大好きな監督の作品ということで、さっそく公開初日に近くのシネコンに足を運んだ。チケット売場では観客が長蛇の列を成し、久しぶりに映画館らしい光景を目にすることができ、心が弾んだ

▼なぜにここまで人を引き寄せるのか。それは陶酔するほどの映像美で、今ホットな「エコ」を伝えているからだと思う。物語の舞台となる惑星パンドラは監督自身が15年前に着想を得て、そこに生きる動物、植物、虫などありとあらゆる大自然を構想。果ては特有の言語まで作り出した。基本設計に2年、CG製作に3年をかけ、未曾有の美世界を創造した

▼パンドラで生活する先住民のナヴィは最大限に五感を発揮し、木の精霊や神木を崇め、生きるものすべてに感謝し、最低限生きるために生きていく。究極の「エコ」がそこにはある。このようなテーマは何十年も前からありとあらゆるメディアで伝えられてきたが、3Dで表現しているのが最大の強みだろう

▼我々は生活をより良くするために技術、知恵を発揮する文明社会に生きている。だが、根本的な生命の尊さをテーマにしたこの作品から学ぶことは多い。民主党政権の方向は「コンクリートから人へ」だが、さらにその根源となる「大自然」を感じてみてはいかがだろう。(茨城・KS)

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