コラム

2010/02/10

子供の元気なあいさつ(群馬・HM)


▼休みの日に愛犬を連れて散歩に出る。この季節は山から吹く冷たい風が容赦なく全身を襲う。遮るものがない田園地帯だからなおさらだ。厚着をして耳あてをして手袋もしっかりはめたモコモコの姿で歩いていると、向こうから自転車に乗った子ども達が来る。すれ違いざまに「こんにちは!」と元気にあいさつされた。あわてて返事をする

▼このあたりでは、子ども達が明るくきちんとあいさつする。小学生だけではなく中学生も、男の子も女の子もである。犬に手を振ってくれる子もいる。その爽やかさがとても心地いい。風に冷えきった体がほんのりと温まるような想いである

▼記者として駆け出しの頃、先輩にこう言われた。「どこに行ったっても、きちんとあいさつしニコニコしていれば大丈夫だよ」。元来無愛想な質なので、もう少し愛想を良くしろ、と言っていたのかもしれない。今にして思えば大切なことを教わっていた。気持ちのいいあいさつを受けてそれに気が付いた

▼100年に一度と言われる大不況の真っ只中である。悪いニュースが次々と耳に入る。10年後、20年後の世界はどうなっているのだろうか。日々不安は増すばかりだが、元気にあいさつする子ども達の中に、明るい未来の可能性を垣間見たような気がした

▼彼らが今の素直さを持ったまま成長してくれればと思う。子ども達は、家庭だけでも学校だけでもなく、社会全体が育てていくもの。自分ももちろんその1人。子ども達の見本になれるように心がけたい。まずは次に散歩で会った時、こちらから先に声を掛けようと思っている。明るく、元気に。(群馬・HM)

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