コラム

2010/02/15

冬の交通に建設業の力(新潟・YY)


▼新潟支局から車での家路は、新潟平野から山の方へと向かうもので、次第に降雪・積雪ともに多くなる。道のりの大半を過ぎると、消雪パイプが布設された道路にたどり着く。雪が溶かされた道路によって、それまで続いていた緊張状態から開放される気分だ

▼特に雪が多い今季は冬の安全交通が地元の建設業者により守られていると実感している。消雪パイプ布設・維持工事はもちろん、冬本番では重機による除雪作業だ。経験の賜物だろう雪深い地域ほど、車道を最大限に確保する除雪技術は見事である

▼雪国以外で馴染みのない消雪パイプは、地下水を汲み上げ、道路内のノズルから水を噴射し雪を溶かす装置。積雪が多く、比較的気温が高い地域で用いられる。車移動では、非常に助かるのだが弊害もある。地下水を利用するため、一部地域で地盤沈下の要因となっているのだ。自動感知センサーの感度や節水機能は日ごと向上してきたが、問題解決とまではいかない。現に今季も取水制限を施した地域があった

▼また、冬に重宝する消雪パイプも他の季節では、活用の場面がほとんどない。夏に設備を使い打ち水効果実験を行ったところ、ヒートアイランド現象緩和への一定の効果はあったようだが、それ以外に革新的な利用方法を耳にしたことがない

▼「コンクリートから人へ」。民主党政権は、公共事業予算に対し大幅な削減方針を示している。限られた予算の中で、建設業の存在価値を誇示するには、経験や技術、アイディアを活かし、一つのモノに対し複数の付加価値を見出すことにあるのでは。真剣に議論してはいかがだろうか。(新潟・YY)

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