コラム

2010/02/16

身の丈にあった経営(茨城・HN)


▼昨年インタビューした際、政府による事業仕分けを「建設業者の選別そのもの」と語っていた、茨城県建設業経営研究所の高崎秀人理事長。高崎氏は、建設業が生き残っていくために「時代の変化に適応し、身の丈に合った経営が大切」との見方を示す

▼高崎氏は、ご自身の講演会でくり返し、「時代への適応」と「身の丈経営」が大切だと話す。建設業者が生き残っていくための防衛策として重要なことだ。しかし、それにしても建設業者50万社の維持が危ぶまれる昨今、変化に対応できない企業は淘汰されてしまうということか

▼それでは、政府の行政運営はどうだろうか。ことし1月に放送されたNHKの討論番組。野田佳彦財務副大臣は、平成23年度から子ども手当を満額支給することが「難しい」と示した。マニフェストの目玉政策で、22年度は半額支給の一人あたり月額1万3000円の支給を決め、総額2兆2554億円が投入される

▼23年度の満額支給には5兆円超の財源が必要だが、その財源確保に向けた道筋は、はっきりと示されていないのだ。はじめはマニフェストでよいことばかりを並べていた感が強いが、先立つもの、すなわち財源については明確に示されていない。政策を進めていくなかで、明らかに無理が生じてきているのではないか

▼所得制限を設けて支給するなど、マニフェストに縛られない柔軟な措置が求められる。建設業者は厳しい経営を余儀なくされ、なんとか時代の流れに適合しようと必死に耐え忍んでいる。政府が身の丈にあった舵取りを行わず、このまま財政運営を続けるようであれば、先に国の破綻が待っている。(茨城・HN)

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