コラム

2010/02/18

公共事業「必要」の判断(埼玉・AO)


▼22年度予算もそろそろ公表される時期になってきた。近年、公共事業は目の敵にされている感がある。しかし多くが本当にそうは思っていない。自宅前の道路に穴が開いていても、直すことができない状況は、いかにもマズイ

▼問題は、無駄な公共事業と必要な公共事業の線引きだ。昨今の公共事業不要論は、「本当に必要なものは何か」「本当にやらなくていいのか」の議論が欠落。必要だろうが、不必要だろうが、一緒くたに「公共事業は悪」の論理だ。では、必要、不必要の判断は、誰がするのか

▼これまでも公共事業費削減の中、新規ハコモノは造らない、優先度の高い道路の整備に特化するなどの言葉は良く聞く。しかし、これは正しいことなのか。例えば、A路線の拡幅整備をして欲しいと要望するのは、地域受益者などが中心。費用対効果の面から、他に優先整備を必要としている路線があるかもしれない。予算が潤沢であれば、費用対効果があまりない路線にも予算はまわっくるだろう

▼近所で誰も使わないような道路で舗装工事をしていた。その道路は1件の家が使うだけの道路。「かなり要望を出したらしい」と聞いた。「だったら、こっちの農道を舗装したほうが利用者も多く、よっぽど効果的なのに」とは思ったが

▼どんな施設だって、使う人にとっては必要なもの。その整備への期待はそれぞれに大きい。公共事業費削減の嵐の中、どこまで多くの人々の要望に添った予算が出てくるのか、楽しみではあるが。ある人が言っていた「選挙の年は公共事業費は減らせないよ」だけでは、中途半端な要望の実現に終わるのでは。(埼玉・AO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら