コラム

2010/02/19

陰の善行が報われる日(茨城・HS)


▼先日、春の選抜高校野球の出場32チームが決定した。今回の出場校も多彩。通算30回の出場回数を誇る強豪もあれば、春夏通じて初というフレッシュな顔もある。今年はどのようなドラマが生まれるのか、今から楽しみである

▼われらが茨城では、県立水戸桜ノ牧高校が21世紀枠の関東地区推薦校に選ばれていた。しかし残念ながら落選したので、桜前線の到来を前に一足早い桜の開花とはいかなかった。しかし、昨夏の県大会で準優勝、昨秋には優勝を果たした実績がある。選手たちは気落ちすることなく、見返すくらいの気持ちで今夏を目指してほしいものだ

▼見事に推薦された高校を見ると、部員が20人に満たない高校や戦前の古豪などが選ばれている。中でも山形県立山形中央高校野球部は、「感謝心」をチーム方針に掲げ、練習の前後に率先して学校周辺の清掃を行っているそうだ。しかもこの清掃、他の運動部や学校全体にも広がりを見せているという。選考理由ではこの取組が評価された

▼地域貢献をすれば甲子園に出られるというわけではないが、影の善行は必ず誰かが見ているもの。同校の清掃は21世紀枠ができた8年も前から始まったというから、今回の選出は地道な活動が花開いた結果といえるだろう

▼建設業界でもこうした取組をしている団体は多い。取材に行っても、清掃している人の地域を良くしたいという気持ちが伝わってくる。うわべだけで悪玉扱いされることの多い業界ではあるが、自店舗の周りだけ掃除をするのとは本質が違う。影の善行は地道で脚光を浴びにくい。だが、いつか報われる日が必ずやってくる。(茨城・HS)

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