コラム

2010/02/22

トヨタをおまえもか(山梨・OS)


▼トヨタの一部の車種でアクセルペダルが戻りにくくなるなどの不具合が発覚した。対象車は世界で910万台にのぼる。アメリカやカナダでは不具合の原因をかなり前からトヨタが知っていたにもかかわらず何もしなかったとして、トヨタ車所有者らが同社を相手取り集団訴訟を起こす騒ぎになった

▼慌てて世界各地で同社幹部が記者会見を開き陳謝したが、対応が後手後手にまわった感はぬぐえない。三菱自動車の時もそうだが、発覚してからああだった、こうだったと言っても後の祭り。本当のところはリコールにかかる莫大な費用をケチったに違いないと見る人が大半なのではないだろうか

▼最近は牛乳の製造年月日やプリンの賞味期限、鉄骨の数、うなぎや肉などの産地、他の客の食べ残しの使い回しなど、数々の「…隠し」「…偽装」が横行している。これだけ多いと大企業と言われるところは、多かれ少なかれ何かをごまかしているのではと疑いたくなる

▼無論そんな経営者ばかりではないだろうが、最近はTVなどで大企業のトップが自社の経営理念を説いているのを見ると、まず念頭に置いているのは「正直者はバカを見る」なのでは、と思ってしまう。今回のトヨタの場合も「顧客への信頼回復が先」と会見した佐々木副社長がコメントしたが、発覚してからは何を言ってもむなしい

▼業績に大きな影響が出ると心配する前に、大勢の人の命にかかわる重大な問題であることを認識し、それに対し謝罪ないし心配するのが当然だ。それは企業としてコンプライアンスを遵守するなどというものではなく、誰もが持つべきモラルの問題だ。(山梨・OS)

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