コラム

2010/03/03

迷い犬がつなぐ縁(群馬・HM)


▼夜の車道を首輪に散歩紐を付けた犬が歩いている。ちょっと迷ったが首輪に連絡先があるかもしれないと車を降りた。見ると何も書いてない。と言って、また放す事もできない。やたら人なつこいのもあり連れて帰った

▼保健所などに連絡をしたがすぐに飼い主は見つからない。ビラを近くのお店などに貼らせてもらうことにした。頼んでみると大体オーケーだったが、あるスーパーでは断られた。頼み事を聞き始めるとキリがないので、すべて断っているという。近所の別のスーパーでは2つ返事で貼ってくれた。そうすると現金なもので、いつもは少し近いという理由で最初のスーパーを使っていたが、この日は快く了承してくれたスーパーで夕食の材料を仕入れた

▼新聞記者をしていると電話取材をする機会も多い。時には厳しい対応をされる。ただ断ってくれればいいのにと思うが、激しく文句を言われることもあれば、思い切り馬鹿にした言い方をされることもままある

▼確かに今この時点では、建設専門紙の一記者でしかない。しかし一歩外に出れば、その会社の顧客になりうる可能性もある。いや直接客にはならなくても、むげにされた会社に良い印象は持たない。結局は損をしている

▼人はいろいろなところで様々なつながりを持っている。広いようで狭い世間だ。それを考えると誰にでも真摯に向き合うということがとても大切なことと思える。その後、犬の飼い主は無事見つかった。気持ちよく対応してくれたコンビニでビラを見たのだという。報告がてらあいさつに行くととても喜んでくれた。それ以来、このコンビニを主に利用している。(群馬・HM)

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