コラム

2010/03/09

苦しい「家計」その中身は…(茨城・MK)


▼年度末が近づき、県や市町村の来年度予算案が次々と発表されている。各自治体とも、景気が低迷しているため税収が減り苦労して編成したと説明している。茨城県の場合も例外ではない。県の財政課は、分かりやすくするために予算を「家計」に例えている

▼予算10億円を1万円に換算した、県の「家計簿」を見てみる。まずは、なんといってもローン(公債費)。残高は1872万円で、1年前から減るどころか74万円も増えてしまった。これに、連帯保証をしている県公社や第3セクターの債務負担794万円が加わる。逆に、預金残高(一般会計の基金)は、わずかに1万円

▼もう少し詳しく分析すると、収入である給料(県税)は346万円。景気が悪いため前年度よりも63万円も減ってしまう見通しだ。パート収入(手数料など)も17万円の減。これでは家計が成り立たない。そのため、実家からの仕送り(国の交付税など)や友人からの援助(国庫支出金)で29万円、ローン借り入れ(県債)でも29万円を確保した

▼一方の支出である。医療費(高齢者への扶助)や子どもの教育費(補助金)は当然増加。ローンも増えてしまった。仕方がない、家の増改築(建設事業)や車購入は節約しよう…この費用は20万円の減額だ

▼でも、節約ばかりではいけない。高齢者が増えてきたし老人ホームをもっと整備しよう。子どもたちが通う学校も地震に備えなくては…。その結果、茨城県の来年度予算案の公共事業費は全体で16・2%のマイナスだが、福祉施設の整備費や学校耐震化事業費などは増額となった。苦しいやりくりは家庭の主婦と同様だ。(茨城・MK)

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