コラム

2010/03/16

今が業界の正念場(茨城・KS)


▼未曾有の就職氷河期で学生らが凍え苦しんでいる。文部科学省の調査によれば、昨年12月末の高校生の内定率は74・8%、12月1日時点の大学生の内定率は73・1%と96年の調査開始以来ワースト1だ。死に物狂いで内定を勝ち取ったとしても、それを取り消されるという残酷な事態も起きる始末

▼そんな中、工業科高校の内定率は88・4%で、普通科の65・1%と比べ、歴然とした差が出ている。さらに、高等専門学校や国公立大学の理系大学生にいたっては、むしろ内定率は前年を上回っているという。地元でも?祝全員内定?の横断幕を掲げる工業高校を目にした

▼かつてのバブル景気で「3K―と呼ばれていた大工、左官といった建設業の職人は、終身雇用が夢となったここ数年では、「小学生のなりたい職業ランキング」で常に上位にランクインしている。しかも、その全体の比率と順位は年々アップしているという

▼顧客の細かなニーズに応えるため、営業、設計、施工まで一貫して手掛ける静岡県の「平成建設」は、著名大学の学生が入職しようと殺到し、?高学歴?の建設会社として話題沸騰中であるし、当然実績も伸ばしている。この事例を見ても、時代は今まさに「手に職」志向である

▼しかし、せっかくの業界への明るい光を遮るような、入札妨害や偽装といった不祥事が相変わらず多発している。次代を担う子ども、青年らの夢を汚してはならない。不祥事など決して起こしている場合ではない。本当に生き残りたいのであれば、このチャンスを生かして、正しいPRを推進し、魅力ある業界を創造しなければならないのは自明の理である。(茨城・KS)

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