コラム

2010/03/17

ど忘れについて(群馬・II)


▼先日、学生時代の知り合いに偶然合ったのだが、名前がどうしても思い出せない。名前を言わなくても話しはつながるが、電話番号のやり取りで困ってしまった。最終的には、漢字を確認すると言い、名前を聞くことが出来たのだが、古い知り合いに会うと、このようなことが良くある

▼ほかに多くの人でもよく起きることなのか気になり、知人の病院関係者に話しを聞いてみた。知人が言うには、人の名前や物の名前、漢字などが時々思い出せないことは、誰でも良くあることで、普通の物忘れだから気にすることはない―と言われた。病的な物忘れだったら顔すらも思い出せないそうだ

▼詳しく聞けば、名前忘れ以外にも、とっさに言葉がでてこないことや物の置き忘れ、ど忘れ、立ち上がった途端に用事を忘れるなど、様々な症例がある。どれも老化現象の一種で、年を取れば誰でも発症する症状で、記憶力が悪い人間もいるので、若い人でも普通に起こるそうだ

▼人の記憶は、興味があるものを長期的に覚える傾向にあるという。興味のないものはすぐ忘れてしまうので、記憶に止めておくには複数回繰り返すなど努力が必要となる。このような構造だからこそ、「のど元過ぎれば暑さ忘れる」といったことわざが生まれたのだろうか

▼今の建設業界に吹く向かい風も、しばらくすれば忘れて消えてしまうに違いない。特に日本人は、熱しやすく冷めやすい性質といわれる。昨今の公共事業が悪だという過度な風潮も熱がさめ、忘れられていくことと思う。その後は、忘れたあとにどれだけ好感度のイメージを回復出来るかが課題になるだろう。(群馬・II)

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