コラム

2010/03/30

発想の転換と創意工夫を(茨城・HS)


▼長らく続くデフレの時代、物価の下落はなかなか止まらない。先日、三菱自動車が来年発売する小型普通自動車の価格を80万円前後で検討しているというニュースが流れた。今の普通車の安い価格帯でも100万円程度だから、それよりさらに2割近く安い設定になる

▼ここまでくると、もはやベーシックな軽自動車と同じ価格で、少しグレードの高いそれが高く感じるほどだ。安くなればなるほど消費者は嬉しいが、生産者としてはどうやってコストを抑えるかが頭痛の種になっているはず。同社では、タイや中国などの海外の工場で生産する?逆輸入方式?と生産量の増加で、この価格の実現を目指しているようだ

▼昨年、アメリカでは超低予算で制作したホラー映画『パラノーマル・アクティビティ』が大ヒットした。その制作費は日本円で約135万円。制作費の安さの理由は、台詞のある出演者がわずか4人、舞台はほとんど家の中、しかもその家は監督の家などなど。これが世界興行収入150億を稼ぎ出したのだから、作り手は笑いが止まらないだろう

▼実は筆者も観に行った口。先入観無しで観たせいか、安っぽさは気にならず、最後まで緊張感が持続。派手なCGや特殊メイクは無いが、久しぶりに鳥肌ものの恐怖を味わうことができた

▼良いものを安く作るには、技術力と創意工夫が必要だ。限られた予算の中、どこにどうお金を使えばもっとも効果を発揮できるか。その見極めが成功に導く。お金が無いなら、発想を転換して今あるものを活かすしかない。大金を自由に動かせる人は、有意義な使い方を探し出してほしいものだ。(茨城・HS)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら