コラム

2010/04/30

国会議員の奇妙な色使い(東京・JI)


▼衆院も参院も、本会議場は紺色の男性議員で埋め尽くされる。彼らの中には、紺のスーツに赤いネクタイを合わせる人が多い。その赤たるや、まさに真紅と言うにふさわしく、かつ濡れたように光っている。さらに前ボタンを開けて歩いているため、揺れるネクタイが「牛の舌」に見えて仕方がない

▼多くの紺と少しのグレーが占める中、一部の女性議員は派手な色のスーツで対抗する。こちらも目が痛くなるような鮮やかさで、思わず顔をそむけたくなるほどである。どうやら彼女たちにはテーマカラーがあるようで、日々の服は違えども色はいつも同じだ

▼通販会社フェリシモが販売する500色の色鉛筆セットには比喩的な名前が付けられている。あえて女性議員の名は伏せ、その色を500色の中から当てはめる。A議員の黄色は「白いテラスのレモネード」。B議員の青は「天馬の駆ける空」。C議員の赤は「夕暮れのグランドキャニオン」。D議員の緑は「ペパーミントの葉」だろう。男性議員に大人気の真っ赤なネクタイは「巫女の紅袴」に近い

▼女性議員の多くはスーツを同じ店に依頼して作っているらしい。店が議員ごとの服を管理するため、似たような服を着る危険性を回避できるのだという。派手なスーツも真っ赤なネクタイも印象は強く残るので目立つことは間違いないが、個人的には「奇妙」に映る。もっと言うなら「珍妙」だ。政治家と筆者の感覚には大きな開きがあるようだ

▼ひるがえって自分の服を見直す。普通の格好をしているつもりではあるが、もしかすると他人からは「奇妙」と思われているのかもしれないのだが。(東京・JI)

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