コラム

2010/04/07

行方見守りたい2施策(群馬・SS)


▼92兆円超という国の22年度予算が成立。37兆円の税収を見込んでいるが、公債発行額はその上を行く44兆円。公債発行額が税収を上回るのは戦後初。数字を見て改めて現在の日本の財政事情や景気がいかに深刻なのか、うかがい知れる

▼こうした中、国は5月のゴールデンウィークと10月に新たに創設するシルバーウィークを地域ブロック別に分散する休暇分散化構想を打ち出したほか、「労働時間等見直しガイドライン」を改正。すべての労働者が2週間程度の連続休暇を取得できるよう促進を図るという。いずれも低迷しきった経済に対する緊急対策的意味合いがある

▼休暇分散化構想を例に取ると、全国を5つのブロックに分割し休暇を分散させることで、交通渋滞や混雑の緩和による移動時間の短縮化、観光地における雇用の安定化などを図る。結果として潜在需要の喚起につながり、消費を刺激することで景気浮揚を狙う考えのようだ

▼どちらの構想も賛否両論あるようだが、国の狙いには一つの説得力がある。というのは、筆者も交通渋滞や混雑を敬遠して、大型連休の際も「どこに旅行へ行こうか」などという発想に至らないからだ。当然、消費は一銭も発生せず、自分の懐具合にはやさしいが、間違いなく不景気の一助となっている

▼「内製化」で知られる秋元久雄・平成建設代表取締役が弊社のインタビューで語っている。「不安があってもチャレンジするしかない。失敗するのは当たり前で、試行錯誤を繰り返して前進するしかない」と。前述の2案についても言えることではないだろうか。新たな景気刺激策を今後も見守っていきたい。(群馬・SS)

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