コラム

2010/04/15

準備不足を反省(東京・JI)


▼花も華やぐ春である。ほがらかな陽気に誘われて、小学生の愚息たちとサイクリングに出掛けた。ゆっくり走るには最適な気候で、まさに穏やかな休日といえた。しかし、事件は帰り道に起きた。それまでは一列で走っていたが、歩道が広くなった途端に競争を始め、歩いていた女性に激突したのである。相手にケガがなかったのは幸いだった

▼事件はいつでも突然に起こるものだ。しかし後で考えてみれば、出発前から大はしゃぎで興奮状態だった。さらに自転車の運転技術は極端に低い。しかも親の血を引いて集中力散漫である。つまりは競争と激突は予測できたことであり、やはり親の指導不足、準備不足としか言わざるを得ない

▼公共事業18・3%減の22年度が始まった。建設業界にとって冬の時代は長く続いている。しかも、この重くのしかかった雪はそう簡単には溶けそうにない。業界および各企業は、今年度そして来年度以降をどう乗り切るか苦慮。準備不足は自らを苦しめることになる

▼事前の話し合いが十分に行われないままに方針を打ち出した八ッ場ダムの整備中止も準備不足といえるだろう。だからこそ、当然のごとく混乱が起きている。財源が明確に示されずに支給される子ども手当も、いずれはトラブルが生じるのではないかと心配である

▼家に帰ってから「今日の失敗と今後の対策」をテーマに息子たちに反省文を書かせた。幾度か修正を経て、最後に赤ペンで「OK」と記すと、ガッツポーズで「やったー」「よっしゃあ」と大喜び。彼らは本当に反省したのだろうか。指導不足とならなければよいが。(東京・JI)

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