コラム

2010/04/16

実ほど頭の下がる…(茨城・KS)


▼?実るほど頭の下がる稲穂かな?。『大辞泉』には、「稲の穂は実が入ると重くなって垂れ下がってくる。学徳が深まると、かえって他人に対し謙虚になることのたとえ」とある。古くから伝わる起源不明のことわざだ

▼先日、鹿児島で開かれた女子ゴルフツアーに、石川遼選手の妹で中学一年生の石川葉子さんが推薦出場し、大きな注目を集めた。ダイナミックかつしなやかなスイングはもちろん、謙虚で誠実な言動、芯のある佇まいは兄そっくりで、観る者を引き付けるものがあった

▼結果は最下位で予選落ちしたものの、兄よろしく大勢のギャラリーを味方に付けて、大きな感動、希望、楽しみを与えた。試合後には、そばで支えてくれたキャディーや多くの観客らに対する不甲斐なさ、申し訳なさで座り込み、感謝の涙を流す姿が印象的だった。勝ち負けに没頭し、悔し涙を流すのとは訳が違った

▼兄の遼選手は、15歳のとき、同じく主催者推薦で出場した大会で優勝を果たした。そのとき遼選手は「応援してくれた人、キャディー、家族、すべての人のおかげ」と、決して頂点に立ったからといっておごり高ぶることなく謙虚にお礼を述べていた。何かが人と違っていた

▼しかし、同じゴルファーで世界ランキングナンバー1の座にあるタイガー・ウッズ選手のように、人々の心を傷付け、不幸にして頭を垂れてはいけない。葉子さんは兄と同じように、健気に謙虚に頭を下げる。まだ13歳で中学一年生だが、すでに大きな力を実らせているということだろう。さらに若い稲穂は兄の背を見て、無限大の力を付けていくに違いない。(茨城・KS)

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